みなさんこんにちは。労働サポートセンターの林です。
さて、みなさんは「裁判」についてあまり馴染みがないのではないかと思います。日本全国いたる所で裁判は開かれていますが、自分が裁判の当事者になったことのある人はなかなかいないのではないでしょうか。
裁判では、普段使わないし耳にもしない用語がぽんぽん飛び出してきます。また、民事裁判と刑事裁判で用語が違ったりもします。では、民事裁判ではどのような言葉が飛び交っているのでしょうか。
まずは基礎編です。
・原告と被告これは皆さん聞いたことありますよね?原告とは訴えた人を指し、被告では訴えられた人を指します。労働トラブルの場合はほとんど労働者が原告となります。
「被告」というと刑事裁判で検察官に容疑をかけられて起訴された人のことを「被告人」ということから、「悪い人?」というイメージを持つかもしれませんが、民事では良い悪いではなく単純に訴えられた人を指します。
・(訴訟)代理人原告や被告から委任を受けた弁護士のことです。裁判で代理人になれる資格を持っているのは弁護士だけです。ちなみに、刑事では「弁護人」といい、これも弁護士だけしかなれません。
・訴状、答弁書、準備書面訴状は原告が一番最初に訴えの主張をする書類です。被告はこの訴状に対して自分の主張や訴状についての反論を答弁書と呼ばれる書面で行います。その後は名称を準備書面に変えて、自分の主張と相手の主張の認否を行い続けていきます。
裁判のおおまかな流れは、原告側が訴状を提出、対して被告側が答弁書を提出、それからは準備書面の応酬となります。この書面のやりとりによって争点(互いの主張が食い違っている点)を整理します。
裁判の晴れの舞台である証人尋問などの証拠調べはその後です。その過程で和解が成立する場合もあれば、最後までやって判決となったります。ちなみに、判決までいくよりも和解で終了することのほうが多いです。
証拠調べに入る前段階の書面のやり取りは、あまり公開されていませんので一般にはあまり知られていないのではないでしょうか?ここでは非常に激しい主張の攻防が行われているのですが、いかんせん書類上でのことですので、表面上は非常に穏やかで
見ていて面白いものではありません。また、口頭の応酬ではなく書面の応酬なので事務的な手続きのみ、拍子抜けするほど短時間で終わってしまいます。ほんの十数分というのが一般的でしょう。そして、この十数分のなかで、一番時間を取るのが実は次回期日(裁判の日程のことを「期日」といいます)の決定だったりします。
お互い弁護士がついているとこんなことは珍しくありません。
裁判官「では次回期日ですが、3週間あけて7月の4週・・・19日午前はいかがでしょうか。」
原告代理人「
差し支えです。」
被告代理人「私もその日午後なら良いのですが、午前は
差し支えです。」
裁判官「では・・・21日15時からは・・・」
被告代理人「すみません、その日は1日
差し支えです。」
裁判官「そうですか・・・みなさんお忙しいですね。では次の週で・・・」
原告代理人「あ、その週は全て
差し支えます。」
・・・いつでも良いから早く決めてよって思います。差し支えの応酬です。しかも、「差し支えです」って変ですよね??準備書面を見ていても、変な言葉が踊っていることがあります。
それぞれが事実を書面で述べていきますが、裁判でいう「事実」は一般的にいう「事実」とは違い、認識と思ってください。「事実を主張する」というのは、「こちらの考えを述べます」ということであって、真実とは限らないのです。
よって、相手側から、数々の判例を織り交ぜながら、ありもしなかったことをさも尤もらしく長々と主張されたりします。そんな何ページにもわたる準備書面に対しては、一刀両断です。
「不知!!」(知ったこっちゃない)
「否認!!」(認めません)
「争う!!」(反論します)
不知(ふち)って・・・。不知(ふち)って・・・。
ちなみに私は会社の人事部の人に「それについては争いますよ。」と言ってしまい、「争うなんてそんな高圧的な言い方はやめてください!!!」と言われたことがあります。
いや、別に圧力をかけようとしたのではなく・・・こちらにも言い分があるという意味で・・・
すみません、失言でした・・・。
スタッフ間ではこの耳慣れない裁判用語で非常に盛り上がっていた時期があります。みなさんも、普段の会話に是非お使いください。
「今日、呑みにいかない?」
「あ、ごめん。今日は差し支え。」
「買っておいた冷蔵庫のプリンがなくなってる!」
「不知!!!」(誤用)
さて、みなさん少しは裁判を身近に感じられたでしょうか(笑)?
本日は長くなってしまいましたが、これにて閉廷いたします。
<<林>>
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