解雇の金銭解決制度 

先日、時間外労働の割増率引上げの動きを取り上げました。その際に、一方では「管理監督者」の枠を広げようとしているのに・・・という意見を書きました

この、一定以上の賃金を得ている労働者を対象に、労働時間の規制を外すという考え方は、現在厚労省で議論されている「労働契約法」の柱のひとつです。本日は、この「労働契約法」の中から、これも導入が検討されている解雇の金銭解決制度を取り上げようと思います。

この解雇の金銭解決制度の導入論議は昨日今日の話ではなく、何年も前から検討されては廃案になってきた経緯があります。もちろん、労働組合や労働側の弁護士などが頑張った成果は大きいでしょう。ではこの金銭解決制度とはどういったものなのでしょうか。例を挙げます。

解雇された労働者が裁判所に解雇撤回の申立をします。和解の折り合いもつかず、裁判所で「解雇は無効。会社の行いは解雇権の乱用です。」という判決がでました。解雇無効ですから、当然解雇される前の状態に戻ることになります。具体的には、解雇されてからの賃金が支払われ、職場に戻ります。

ところが、金銭解決制度とは、解雇が無効であっても一定のお金で解決させてしまうという制度なのです。解雇は無効なのに職場には戻れないということを、制度として認めてしまうことになります。

生涯賃金が支払われるのならまだしも、そんな高額での解決が検討されているわけではありません。例えば55歳で解雇通告、不当な解雇であったけれど2年分の年収が支払われて職を奪われたら・・・?
ただでさえ高齢の為に職探しは難しいでしょうし、厚生年金の支給開始時期も引き上げられています。不当な扱いを受けた上に、生活まで脅かされてしまいます。それが、制度として合法化されようとしているのです。

別方面から見てみると、お金さえ払えば合理的理由がなくても従業員を辞めさせることができるのです。解雇権の乱用が増える可能性は十分ありますよね。なぜ現行の法律で解雇を厳しく制限しているのか、その趣旨に反することだと思いませんか?

私は弁護士でもありませんし、法律論を語るつもりも知識もありませんが、法律として制度化してしまって良い問題とは思えません。みなさんはどう思われますか?

<<林>>


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[2006/06/14 16:34] 解雇 | TB(0) | CM(2)